2012年4月18日水曜日

Facebookクーポンサービス開始+Tagtile買収 ⇒ Facebookはコマース分野、そしてO2Oへの展開へ


相変わらず勢いの止まらないFacebook。今度は日本でもクーポンサービスを開始しました。また、モバイルコマースのTagtileも買収。ソーシャルからO2O(Online to Offline)へ、サービスの幅を広げていきそうです。


  Facebookのクーポンサービス「Offers(日本名:Facebookクーポン)」 ⇒ Facebookのリーチ力に動機付けのパワーが追加
Facebookクーポンは、Facebookページを開設していれば無料で利用することができるクーポン提供の仕組み。Facebookページを通じてクーポンを提供したり、プロモーション情報を提供したりすることが可能です。もちろん、Facebookなのでクーポン情報はニュースフィードを通じてファンになっているユーザに届けることもできますし、プレミアム広告やスポンサー記事を通じて提供することもできます。利用できるのは日本(2012年4月13日サービス開始)のほか、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、トルコなど。

利用の流れとしては、
 ・Facebookページでクーポン提供
 ・ニュースフィードや広告を通じてユーザに提供
 ・ユーザはニュースフィードに表示される「Get Offers」をクリック
 ・クーポン情報が指定のアドレスに送られる
 ・クーポンをオンラインやリアル店舗で利用
というもの。Facebookページからのニュースフィードのリーチ率は16%、プレミアム広告では最大75%。このリーチ力にユーザに対する動機付けのパワーが加わることになるのですから、新しい集客ツールとして期待がもてます。



  モバイルコマースのTagtile ⇒ スマートフォンでスタンプカード
Facebookが4月13日にモバイルコマースのTagtileを買収したことを明らかにしました。このTagtileはスマートフォンを利用したクーポンの仕組み。アプリをインストールしたiPhoneかAndoroidスマートフォンで店舗に行き、専用のハードウェアにかざすとクーポンがもらえる仕組み。ただし、単発で使い切るクーポンではなく、スタンプカードのようなクーポンプログラムを提供することができるのが特徴となっています。コーヒー10杯飲んだら1杯無料、来店10回で粗品プレゼント、のようなプログラムを提供するための仕組み。なお、店舗に設置するハードウェア自体は無償で提供するとのことです。


  FacebookクーポンとTagtile買収の意味するところ ⇒ Facebookはコマース分野、そしてO2Oへの展開へ
今回のFacebookクーポンやTagtileの買収に共通して言えることは、ユーザを動機付けて購買活動に結び付けていくこと。Facebook自体が決済を提供しているわけではありませんが、今後介入してくる可能性は十分に考えられます。つまり、Facebookがコマース分野に本格的に展開してくる可能性は十分に考えられるのです。

また、FacebookクーポンもTagtileもインターネット上に閉じた話ではなくなっています。インターネット上でのFacebookのサービスをきっかけに、実際にリアルの店舗に足を運んでサービスを利用する流れを造るものとなっており、O2O(Online to Offline)のプロセスをつくるものとなっています。ソーシャルをきっかけに現実世界の活動に結びつけ、リアルワールドとサイバーワールドを融合したサービスを提供していく、そのようなシナリオが見て取れます。


  まとめ:Facebookはマーケティング活動の中心に
Facebookはすでに企業などがユーザにアプローチする際に有効なツールとなっています。しかしながら、あくまでも認知度を上げたり、継続的な情報発信を行うツールとしての位置づけ。購買活動に結びつけるには、企業側でFacebook以外にもいくつもの工夫は不可欠でした。しかし、こうしたFacebookクーポンやTagtileのサービスがあれば、ユーザへのアプローチから購買活動、さらにはフォローアップまでをFacebookで完結できるようになります。もちろん、全てを解決することはできませんが、Facebookがマーケティング活動の中心的存在になる可能性は、これでより一層高まってきているといえるのではないでしょうか。