2012年4月15日日曜日

ルームシェアのマッチングサービス「Roomstay」 ⇒ リアルなソーシャルサービス、利用にはソーシャル・リテラシーが必須


4月になり新生活を始めた方も多いこのごろ。実家で暮らす、新しい部屋を借りる、スタイルは色々ありますが最近ではルームシェアというカタチを取るケースも少なくありません。そんなルームシェアをしたい人、利用したい人をマッチングするサービスがスタートしました。



  「Roomstay」とは ⇒ 賃貸ではない“部屋を貸す”仕組み
みんなのマーケットが4月9日に公開したサービスがオンラインマーケットプレースである「Roomstay」今住んでいる家主(賃貸物件の借主)が物件を、貸し出す期間・値段を設定して登録。利用の希望をサイトで募り、マッチングする仕組み。契約成立時に家主側は設定金額の30%を「Roomstay」に手数料として支払います。ちなみに決済は全てPayPalを利用して行われます。

なお、必ずしもルームシェアだけが目的というわけではなく、単純に空き物権を利用することもできます。例えば、長期出張で家を開ける間だけ貸す、今だれも住んでいない持ち家やマンションがあるから貸す、といったことができます。


  短期滞在で利用メリット ⇒ ホテルを利用するよりも安く
この「Roomstay」は、経済的なメリットを得る手段として利用することがまず考えられます。たとえば1週間~2週間程度の出張や旅行であれば、ホテルに泊まれば1日当たり5000円程度は少なくともかかります。しかし、「Roomstay」でうまく滞在先を見つけることができれば1泊2000円で済ませることもできます。もちろん、ホテルのようにアメニティが必ずあるわけではありませんし、掃除や選択も必要かもしれませんが、それでもコストを抑えるという意味では十分にメリットはあります。


  コスト抑制だけでなく新しい“つながり”づくりに ⇒ ソーシャルはリアルの世界へ
この「Roomstay」をはじめ、ルームシェアの一つの特徴として“お金を払ってくれればも誰でもいい”というわけではないということがあげられます。趣味や考え方、やりたいことなどの共通点がある人同士が集まり、空間を共有しているのです。テーマ性をもって集まっている部屋を見つけることができれば、新しいつながりを得ることができるかもしれません。短期滞在をするのであれば、その地域の文化などにも深く触れる機会にもなります。インターネット上のSNSを通じて得ていた感覚を、リアルの世界でも実感できる仕組み、と捉えてもよさそうです。


  何事にも万全はなく、リスクには要注意 ⇒ サービス利用の前提はソーシャル・リテラシー
こうしたルームシェアは昨今話題になってきていますが、必ずしもメリットだけがあるわけではありません。性善説に基づけば新しいつながりができる、コストを抑制できるなどのメリットはあります。しかし、性悪説に基づけば、知らない人と同じ空間にいる、自分のプライバシーを公開することになる、といったデメリットも見えてきます。少なくともルームシェアに依存する形、特に金銭的な側面だけに頼ることになれば、思わぬトラブルを引き起こすことになりかねません。

したがって、貸す側も借りる側もこうしたメリット、デメリットを理解したうえで、サービスを利用する目的を明確にすることが必要です。そして自分の責任で守るべきものは守る、という意識は持っていたほうがよいでしょう。もちろん、すべてをクローズドにしたいのであれば、こうしたサービスを利用するべきではありません。目的を明確に持ち、プライバシーとパブリックのバランスを取れるソーシャル・リテラシーがあることは、サービス利用の必須条件かもしれません。


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