「COGOO」 ⇒ 自転車シェアの新しい仕組み
使い方は
・COGOO対応の駐輪場へ
・スマートフォンのアプリで自転車開錠
・自転車を利用
とシンプル。
また、自転車シェアのサービスを1台からでもでき、初期導入や運用コストを大はばに抑えることができることも特徴です。現在は横浜国立大学にて実証実験を行っています。
「COGOO」の利用で自転車シェアを普及 ⇒ 公共交通としての自転車に
「COGOO」の仕組みは自転車シェアを行うときの
・設置場所
・初期導入コスト
・運用コスト
といった課題を解決することができます。極端な話、1台からでも自転車シェアが行えて、対応の電子鍵だけつけておけば言いわけですから、自転車シェアの施設をつくるためのハードルは大はばに下がります。
そうなれば期待されるのは自転車シェアの普及。街中あちらこちらに「COGOO」で利用できる自転車があれば、短距離移動の公共交通として利用することができます。実際、富山市のスマートシティ事業では自転車を交通サービスの一部に取り入れています。自動車と異なり渋滞もなく、燃料も必要としない短距離交通の要として利用できるかもしれません。
自転車自体の課題解決も必要 ⇒ マナー改善と高齢者対応を
自転車を公共交通として利用すること自体は決して悪いアイディアではありません。しかしながら、当然ながらメリットだけではなく、デメリットも存在します。まずあげられるのが公共のマナー。東日本大震災以降、自転車通勤が増えましたが、その分歩行者との接触、交通ルールの無視、自動車事故などのトラブル・事故も増えています。公共交通としての自転車が普及すれば、当然自転車の利用者数も増えるため、こうしたトラブル・事故も比例して増えることになります。この状況を改善するための施策が必要になってきます。現在も行っているマナー教室というレベルではなく、自転車利用に当たっては講習を義務付ける、違反者には明確に罰金を科す、といった仕組みが必要なのかもしれません。
また、高齢者など自転車を利用できない人たちに対するケアも必要になります。自転車が公共交通として普及したとしても、そのメリットを享受することができず、交通格差が生まれてしまうからです。移動が制限され、活動が制限され、結果的に得られる社会的メリットも制限されます。このリスクを回避する方策も必要になります。例えば、自転車が利用できない人たちには電気自動車のタクシーが気軽に利用できるサービスを用意する、というのも一つの手でしょう。また、あえて人力車を復活させることも面白いかもしれません。福祉・介護サービスにもつなげることができ、地域のコミュニケーションの活性化につながる可能性もありますので。
まとめ:自転車シェアはスマートシティの一要素として、全体最適の中に
自転車のシェアサービスは、富山市の事例にもあるとおりスマートシティの取り組みの中で普及していくでしょう。そのとき、いかに導入・運用のハードルを下げるかは一つの課題であり、その解決策として「COGOO」は利用できます。しかしこれはあくまでも機能的な問題解決に過ぎません。現実には社会システム全体で考えることが必要となります。そのためには利用者に対する教育、モラル維持の仕組み、利用できない高齢者などへのケアは必須要素となります。社会の全体最適の発想の中で取り入れていくことが必要なのでしょう。
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