2012年4月13日金曜日

きちりが新入社員だけの店舗「新卒ダイニング Rookies」をスタート ⇒ 自分で考え動くナレッジワーカーの育成のヒント

4月に入り新入社員研修があちらこちらで行われています。この新入社員研修というものは“お勉強”ではなく、仕事ができるように“実践につなげる”ことがとても大事。その観点から、きちりが非常にユニークな取り組みを行っています。


  きちりの新人育成の取り組み ⇒ 新入社員だけで店舗運営「新卒ダイニング Rookies」
居酒屋チェーンのきちりが2012年4月10日に大阪・北新地にオープンした店舗「新卒ダイニング Rookies」。この店舗の特徴は、社員は新入社員のみ。上司に頼らずに、新入社員が自ら考え、調理や接客などの店舗運営を行っていきます。といっても、いきなり放り込むわけではなく、1日から本社で研修をおこなっていますし、きちりはアルバイトから社員になるケースも少なくない会社。当然本社からのサポートも入るでしょうから、無理の無いレベルでより深い現場経験を新入社員が獲得することが期待できます。


  新入社員に任せるという考え方 ⇒ ナレッジワーカーの育成には必須
この先のビジネスのあり方を考えると、以下の3つのワーキングスタイルのうちナレッジワーカータイプが必要です。
 ・マニュアルワーカー : 決められたことだけを決められたとおりにやる
 ・スキルワーカー : 課題を与えられたら、その解決のために自分のスキルを駆使して対応する
 ・ナレッジワーカー : 課題を自ら発見し、その解決のためにあらゆる手段を駆使する 

ナレッジワーカーには、自ら考え、行動することが必要です。それには責任と権限を与えること、つまり本当の意味で任せることが必要になります。しかし、新入社員に対する企業の研修のほとんどはマニュアルワーカー的、もしくはスキルワーカー的になっているのが実情。研修で「自分で考えて行動しろ」といっていたとしても、実質的には研修する側(OJT、Off-JTともに
が考える範囲を制約していたり、行動を実質的に指示(命令)しているケースは少なくありません。

この状態を解決するための試みとして、今回のきちりの「新卒ダイニング Rookies」は非常に興味深いものがあります。ナレッジワーカーを育成するために、実は阻害要因となっていたのは“教える側”、“指示をする側”の人間=上司・先輩。であれば、その上司・先輩がいない環境で、実際に社会の厳しさにさらされて知識だけでなく多くの経験をつませ、考えさせ、ナレッジワーカーに仕立て上げていくことが狙いとして見て取れます。