2012年4月15日日曜日

横浜DeNAだからこそできるイベントはO2O ⇒ ソーシャルやWi-Fiを利用したイベント運営のケーススタディに


横浜DeNAが2012年5月に予定しているイベント企画。現段階ではDeNAならではの内容とはなっていません。しかし、その経験則をふまえて今後新しいタイプのイベントを展開してくることが予想できます。そしてこのイベントは横浜スタジアムが抱えている収益問題の解決にもつながると考えられます。

Japan Professional Baseball / Masako 川o'-')♪


  DeNAの看板、ソーシャルゲームと連動 ⇒ DeNAユーザをスタジアムへ誘導
まずはソーシャルゲームと連動した企画はありえるでしょう。DeNAのユーザーを中心にスタジアムに足を運んでもらえるような企画です。ユーザ登録をして横浜DeNAの試合に来るとポイントがもらえる、横浜DeNAが勝つとポイントが増える、といったサービスが出てくることは容易に想像できます。

どこまでプロ野球の世界が許すかはわかりませんが、もしかしたらイベント的に出場選手をソーシャルを通じてファン投票で選ぶ、といったことも行うかもしれません。なお、すでにメキシコのサッカー2部リーグのチーム Murcielagos FC ではソーシャルを利用してチームの采配を決める、という試みも行われています。


  スタジアムに来なければ体験できないソーシャルイベント ⇒ スタジアムへの来場にインセンティブ
横浜スタジアム内にWi-Fi環境を設置することでさらにサービスを広げることもできます。チケット番号などを入力するとスタジアム内のWi-Fiに接続できるような仕組みを作りスマートフォンで接続して貰えれば、例えばイニングごとに来場客に情報を提供することができます。やり方によっては、スタジアム内にいる人たち同士で情報のやり取りをしたり、ビールなどの売り子さんを呼んだりできるようなサービスにすることができるかもしれません。決済システムをつければ、観戦したイニング数に応じて後払いする電子チケットなどを作れる可能性もあります。

  新しい媒体としての可能性 ⇒ 横浜スタジアムの抱える収益問題の解決にも?
なにより、こうした環境が整えばユーザへの情報を提供する機会が増えます。単純に考えれば、
 ・DeNAユーザにスタジアムに足を運んで貰う
 ・新しいゲームやイベントに参加してもらう
 ・ユーザによるDeNAのサービス利用機会を増やす
 ・収益拡大につなげる
というシナリオが描けます。また、広告機会が格段に増えます。横浜DeNAの情報触れる機会が増え、来場すればスマートフォン経由で情報を扱う。となれば、そこに広告を表示すれば新しい収益源を確保することになります。

こうした収益拡大策は横浜スタジアムに本拠地を置く球団にとっては(例えそれが横浜DeNAでなかったとしても)、とても重要な課題です。なぜなら、横浜スタジアムの収益構造には実は問題があり、看板広告や売店収入が一切球団に入らない仕組みとなっています。このため、球団運営が常に苦しくなっているという側面もあります。結果、オーナー企業として球団を保有するメリットを低下させることにツナが立っています。DeNAがこうした取り組みによって収益源を確保すれば、収益構造上の問題を解決し、球団運営を健全化することにつながることも期待できます。


  まとめ:横浜DeNAの企画はO2Oイベント運営の参考に
おそらくはこれから横浜DeNAでは企画を数多くうっていくことでしょう。それは単にスタジアムで何かをする、というだけでなく、スマートフォンやソーシャルなどの仕組みを組み合わせたO2O型のサービスとなっていくと予想されます。収益構造上の問題を解決するという点では、新たなマネタイズ施策のヒントも数多く眠っていると考えられます。そしてこうしたサービスはプロ野球に限ったではなく、観点を変えれば他のイベントでも利用できます。O2Oサービスを今後考えていくのであれば、横浜DeNAの取り組みには注目をしておいてもよさそうです。