Facebookの周辺の発展も目覚しいですが、Facebook自体の機能も日進月歩。Open Graphの発表時に触れられていた「行動のシェア」もますます進化していきそうです。
Facebook「Listen」機能を追加 ⇒ 音楽の次は動画?
Facebookのオフィシャル機能としても、2012年4月17日に「Listen」機能が追加されました。この機能は、ミュージシャンのFacebookページの「いいね」ボタンの横に「聴く」というボタンが配置され、クリックするとストリーミングで楽曲が楽しめるというもの。なお、初回は対応するFacebookアプリの利用確認メッセージが表示されるので、それをOKすればサービスを利用することができます。また、楽曲を聴くと、その行動はFacebookのTimeline上に表示され、友だちはその行動を確認することができます。
現在のところPC版のサイトでのみの対応。しかしながら、将来的にはモバイル版にも対応してくることは間違いありません。さらに将来的な展望を予想すると、今は音楽だけですが、動画も同様のサービス形態で提供できるようになると考えられます。今はYouTubeなどのリンクを張っているだけですが、Facebookアプリとして連携する動画サービスが開始され、動画再生を行うと自動的にTimeline上に表示されるようになることは十分可能性として考えられるのではないでしょうか。
環境がそろえばコンテンツ市場を席捲 ⇒ AppleやGoogleに対抗する最大勢力に?
こうした音楽配信や動画配信のサービスをFacebookが行っていく場合、ひとつの可能性が考えられます。前提として
・LTEなどのモバイルブロードバンド通信環境が確保されていること
・オフラインでも一時的にサービスが利用できること
といったものが必要となりますが、これらの前提をクリアすればFacebookがモバイル・プレイヤーとしてのサービスを担う可能性が考えられます。簡単に言ってしまえば、iTuneに代わるものになる、ということです。
そうなれば、Appleが行ってきたデバイスからサービスまでの垂直統合の流れを切り崩すことになるかもしれません。また、FacebookはデバイスやOSを持っていない分、ポジティブに考えれば提供方法を限定することなくシェアを拡大できる可能性があります。同様のことは、ゲームアプリや電子書籍などのデジタルコンテンツでも行うことができるでしょう。Apple VS Googleの構図を切り崩す、第3のプレイヤーとして存在感を増していくかもしれません。
プロモーションツールとしても大きな可能性 ⇒ ユビキタスなサービスも実現する?
このように音楽や動画の視聴状況などの行動がFacebookアプリ上で共有されると、ますますFacebookはプロモーションツールとしての価値を高めてきます。少なくとも音楽や動画コンテンツの拡散ツールとしての効果は非常に高くなります。この音楽や動画に関連付けて商品やサービスのPRを行っていくことも考えられ、バナー広告を出すよりもはるかに高いプロモーション効果も期待することができます。
さらに音楽や動画を再生したユーザの状況、つまり位置情報や時間帯、前後のアクションのデータもFacebookは取得することができます。これらのデータを解析すれば、より訴求効果の高いタイミングでTimelineに表示することもできるようになります。つまり、今だけ・ここだけ・あなただけのピンポイントな、まさにユビキタスなプロモーションやサービス提供に発展する可能性も十分に考えられるのです。